若かりし頃の懺悔


夏の自由参加旅行-霧ケ峰-

高校2年の夏自由参加で霧ケ峰へ行くことになり、参加しました。

 バスで霧ケ峰まで行き、そのあと車山へ登り白樺湖へ抜けることになっていました。

 私は姉からの青いベストをきて又青い帽子を被り少しセンスを整えて行きました。
 空は青く気持ちも爽やかな一日になる筈でした。

 車山から白樺湖へ抜けるルートは下りなのでとても楽でしたし友達は途中で草を摘んでいるので何だろうと思い尋ねると『嫁菜』という菊に似た草です。

 これをどうやら家に帰ってお浸しにして食べるようです。
 初めて嫁菜という草が食べられるものと知りました。

 私は山菜といえば蕗とか蕨などは食しておりましたので 勉強になりました。
 今やこの辺りは昔の面影はすっかり変わり別荘が沢山たっております。


夏の自由参加旅行-白樺湖-


 やがて白樺湖へ到着し湖にはボ―トを漕いでいる子供達がいました。
 あんな子供が漕いでいるのだからと安易に考え、さっそく友達とボ―トに乗ってオ―ルをバチャバチャさせながらドンドン進んで行きました。

 でもその時 初めてボ―トを漕いで気分良くしてましたが扨て帰りの集合時間やバスの時間などが気になりだしました。

 バシャバシャしながらやっと帰り方向へボ―トを向ける事ができました。
 岸のほうで見ていた青年が異変に気づき遠くから手真似しながらオ―ルを漕ぐ仕草をしてくれました。

《あ~ 軽はずみな行動をとってしまった。》

子供が漕いでいるのだから自分も出来ると思っていた事が悔やまれました。

 湖の縁で手を挙げている青年の所へどうにかこうにか辿り着く事ができました。
 その方はスニーカ―を履いたまま湖の中まで足を入れて私たちの乗っているボ―トを手で引き寄せました。

 月並みな感謝の言葉を言いましたが...何とも恥ずかしい思い出です。

 帰りのバスで大勢が乗り込む時、彼の足元は濡れていて、しかもスニーカーは泥だらけでした。

 もっとキチンとお礼やお詫びを言えば良かった。
 後悔で胸がいっぱいでした。

 後日、その湖で事故があり何人か亡くなってしまったと新聞に出ておりました。
 本当に自分の無知で他人に迷惑を掛けて仕舞ったことを思い出し後悔の念でした。

 楽しい筈のハイキングがこのような形で終わってしまいました。

 軽はずみな行動をとってしまい他人に迷惑を掛けた事を忘れないように誓った日でも
ありました。

 ちなみにこの湖は水深7メートル位だそうです。


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