雨の日は軒先に照る照る坊主をつるして晴れるのを待っていたけど
こんな簡単な人形で効き目があるのかしら?なんて思ったものだ。
今となればこんな時代もあって良かったと思う。子供の頃はどこの家でも
養蚕をしていて雨の日でも蚕の餌の桑の葉をとりに母がびしょぬれになりながら桑を背負って帰ってきた。こんなに苦労をして蚕を育てなければならないのかと 悲しくなってしまう。だけどあの頃の母は今の自分よりも若くて力持ちで
愚痴もこぼさず家の為子供の為に頑張ることができたのだろう。
時代はすごく変わってだれも養蚕業などやっているものはいないけれど
絹製品は大勢の血と汗と涙の結集のような気がする。
雨が降ればそんな思い出もふと湧き上がってくる。
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